乗り込んだバスは見知らぬ町をゆき月の出を振り返る僕たち
火薬庫に近づいていく僕たちの帽子のつばを汚す小鳥ら20100418掲載 ひかがみの三日月型のあをあざをみてゐるうちに行つてしまへり #
by mitsuarai
| 2010-03-15 10:51
| 日経
少しだけ真実を混ぜ疑ひを持たれたときの逃げ道とする
朝焼けの東の空を風に乗り列なしてゆく黒きものたち 決められずゆつくり歩く春あさき野辺の冷たき光のなかを #
by mitsuarai
| 2010-03-11 15:02
| 日経
西風に震へて歩く戦線を縮小せむと考へながら20100314掲載
ホーチミンのホテルの部屋のタオル替ふるメイド愛しも吾子のやうなり ひとり住む母の窓辺を照らす月のうさぎが我の庭先を跳ぶ #
by mitsuarai
| 2010-02-22 09:42
| 日経
倫理観麻痺してしまふ香水の強い匂ひに曝され続け
いやなことあつたからつてお早うに返事かへさぬ寺田よ寺田 指先のない手袋をはめた手がぶら下げてゆく白菜と葱 #
by mitsuarai
| 2010-02-16 14:05
| 日経
そのくらさまばらなはやし立ちしやがみはるか深くに伸びあがるもの
あるでしようまた落ちて生え埋めつくし小さな夏のそのにぎはひに オリーブの実は嫌ひです本籍は関東平野北端の町 #
by mitsuarai
| 2010-02-08 14:06
| 日経
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